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編集部調査報告書

退職・判断

調査番号
R-article-106
公開日
2026-07-31

施工管理が在職中に転職活動の時間を作る方法|年休の使い方

現場が動いている平日に抜けられない。土曜も出ることがある。だから転職活動の時間が取れない——施工管理の転職で最初に詰まるのがここだ。ただし公的な統計を見ると、時間が取れない構造は事実である一方、使われないまま消えている休みが年7日分ある。ここでは労働時間の実態を数字で押さえたうえで、年次有給休暇の法的な使い方と、探す時間そのものを圧縮する進め方を整理する。

時間が取れないのは、気のせいではない

まず前提を数字で確認する。厚生労働省の資料によると、建設業の令和6年の年間総実労働時間は1,938時間で、全産業や製造業に比べて長い。

休日の面でも差がある。同じ資料は、完全週休2日制の普及状況を「令和6年では企業数で全産業では約57%に対し、建設業では約46%と低い」としている。全産業と比べて11ポイント低い。

つまり、平日は長く働き、土曜も動いている職場が他業種より多い。面接の時間が作りにくいという感覚には、統計上の裏づけがある。

なお2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されている。5年間の猶予が終了したためだ。原則は月45時間・年360時間、休日労働を含めても月100時間未満・2〜6か月平均80時間以内となる(災害の復旧・復興事業には一部特例がある)。長時間労働の是正は制度としては動き始めているが、完全週休2日制の普及率が46%である以上、現場ごとの差は大きい。

土曜出勤や祝日稼働が求人票からは読み取りにくい点は施工管理の「完全週休2日制」は土日祝休みではないで整理している。

それでも、年7日分の休みが使われずに消えている

ここからが本題だ。同じく厚生労働省の令和6年就労条件総合調査によると、建設業の年次有給休暇は次のようになっている。

建設業全産業
付与日数17.8日16.9日
取得日数10.8日11.0日
取得率60.7%65.3%

注目すべきは、建設業の付与日数が17.8日と全産業より多いことだ。にもかかわらず取得率は60.7%で全産業を下回る。付与と取得の差は年7日分になる。

転職活動で必要な平日の外出は、面接が数回と、必要なら健康診断や書類の受け取り程度だ。年7日分は、それを賄うのに十分な量である。

問題は「休みがない」ことではなく、「ある休みが使われていない」ことだ。この順序を取り違えると、対策の方向を間違える。

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年休の取得に、理由を告げる義務はない

年次有給休暇について、労働基準法第39条第5項はこう定めている。

使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

読み取れることは二つある。

ひとつは、年休は労働者が請求した時季に与えるのが原則だということ。会社が許可するかどうかを判断する制度ではない。

もうひとつは、条文のどこにも取得の理由を申告する要件がないことだ。「私用のため」で足りる。何のために休むのかを説明する法的な義務は存在しない。

ただし、実務で目立つのは「普段との差分」のほうだ

法的にはそのとおりなのだが、これを盾にすると逆効果になる場面がある。

これまでも「私用のため」で年休を取ってきたのなら、同じように「私用のため」でいい。何も変わらない。

問題は、普段は「家族で旅行に行くので」「見たい映画があって」と具体的に話して休みを取っていた人が、ある時期から急に「私用です」とだけ言うようになる場合だ。**法的な正しさを主張したことで、かえって変化が目立つ。**職場の空気もぎくしゃくする。伝わるのは「何かを隠している」という情報そのものになる。

正直に書けば、私は当たり障りのない理由を作った。転職活動の面接があるので休みます、とは言えないからだ。

もし同じようにするなら、ひとつだけ注意点がある。後日、仲のいい先輩から「映画どうだった?」と聞かれる。細部を聞かれても破綻しない程度の話にしておくこと。凝った作り話をするほど、辻褄合わせが必要になって苦しくなる。

守るべきは「理由を言わない権利」ではなく、普段と違う振る舞いをしないことだ。

会社が変更できるのは「事業の正常な運営を妨げる場合」だけ

ただし例外がある。ただし書きにある時季変更権だ。請求された時季に休まれると事業の正常な運営を妨げる場合、会社は別の時季に変更できる。

重要なのは、これが時季を変更する権利であって、取得そのものを拒否する権利ではないことだ。繁忙期にどうしても外せない日があるなら別の日にずらす、という運用になる。

施工管理の場合、工程の山場や検査の日程は事前に読める。逆に言えば、山場を外した日を指定するほど、時季変更を持ち出される理由は薄くなる。面接日を先方と調整するとき、この視点で候補日を出すと通りやすい。

1日休まなくてよい場合がある

面接1件のために丸1日の年休を使うのはもったいない。ここで使えるのが時間単位の年次有給休暇だ。

労働基準法第39条第4項は、労使協定で定めた場合に限り、年休を時間単位で取得できると定めている。対象となる日数は条文上「五日以内に限る」とされている。

つまり、勤務先に労使協定があれば、年5日分までは1時間単位で年休を取れる。午後の2時間だけ抜けて面接に行く、という使い方ができる。

制度があるかどうかは就業規則か労使協定で確認できる。無いなら半日単位の年休が使えるかを見る。半日単位も法律上の義務ではないが、導入している会社は多い。

日程調整に応じるかどうかは、会社を見る材料になる

私が在職中に活動したときは、面接は基本的に有給を使うか、仕事終わりのウェブ面接で受けた。年休を申請して、ちゃんと時間を作るようにした。

そのうえで書いておきたいことがある。在職中であることを理由に、面接をしてくれる会社からネガティブな印象を持たれたことはなかった。

在職中だから日程が限られる、という事情は、極端でない限り理解を示してくれる会社が多い。むしろ当然の前提として扱われる。だから「働きながらでは相手にされないのではないか」という心配で動けなくなっているなら、その前提は外していい。

そして、ここから先が本題だ。

日程調整にどう応じるかは、その会社を見極める材料になる。

こちらの事情を汲んで候補日を調整してくれる会社と、「そんなことよりうちの面接を最優先で受けてほしい」という姿勢の会社では、示している性質が違う。後者は、単に組織として柔軟性が低い可能性がある。あるいは、手段を選ばずできるだけ早く人を集めたいだけ、という可能性もある。

これだけで会社のすべてを判断できるわけではない。日程が本当に詰まっていることもある。それでも、選考という「相手が最も丁寧に振る舞う場面」で示された柔軟性は、入社後の働き方をある程度は映している。

時間を作る過程そのものが、相手を観察する機会になっている。そう考えると、日程調整は面倒な作業ではなく、選考のうちの一つになる。

最終面接を対面で設けるかどうかにも、姿勢は出る

私の場合、一次・二次はウェブが多く、最終面接はすべて対面だった。在職中で時間が限られていたことも、序盤にウェブが増えた要因だったと思う。

そして振り返ると、最終面接を対面で設定してくれた会社のほうが印象は良かった。1社だけ最終までウェブで完結した会社があったが、そこは内定も出なかったし、自分の中でも評価は上がらなかった。

これは1社の話なので一般化はできない。ウェブ面接そのものが悪いわけでもなく、序盤の負担を減らせるという意味では在職者に有利ですらある。それでも、最後に会う場をどう設けるかには、相手をどれだけ本気で見ようとしているかが出る。序盤の柔軟さと、最終局面での丁寧さは、別々に見ておくといい。

探す時間そのものを圧縮する

時間の作り方には、休みを取る以外にもうひとつの方向がある。探す作業に使う時間を減らすことだ。

求人を自分で検索し、比較し、応募する。この工程は在職中には重い。私が転職活動をしたときに機能したのは、職務経歴書を登録しておくスカウト型のサービスだった。ビズリーチに置いておいた職務経歴書を読んだ個人エージェントから、内容に踏み込んだ個別の連絡が来たのが、最終的に決めた会社との接点になっている。

自分から探す時間はほとんど使っていない。書類を一度作り込んでおけば、あとは届いた話を判断するだけになる。時間が限られている在職者ほど、この構造は効く。

もっとも、届く話の質は登録した書類の質で決まる。ここを雑にすると、条件の合わない連絡ばかりが増えて、かえって時間を取られる。時間を節約する投資先は、探すことではなく書類のほうにある。

エージェントを使う場合も同様で、面接日程の調整を代行してもらえる分だけ在職者の負担は減る。在職中と退職後それぞれの利点は施工管理の転職は在職中と退職後どちらが有利かで比較している。

会社に伝えるのは、内定を承諾してからでいい

活動中に周囲へ漏らす必要はない。私の場合も、上司に切り出したのは内定を承諾した後だった。

活動の初期に相談すると、引き止めや配置転換の話が先に動き出し、こちらの選択肢が減る。判断の材料が揃う前に手札を開ける理由はない。社内に漏らさず進める具体的な手順は施工管理の転職を在職中にバレずに進める方法にまとめている。

活動開始から決定まで、私の場合は半年かかった。最初の内定が出たのが3〜4ヶ月の時点だ。在職中の活動は時間がかかる前提で組んだほうがいい。焦って期間を圧縮しようとすると、条件を確認しきる前に承諾してしまう。

まとめ

施工管理が転職活動の時間を作れないのは、年間労働時間1,938時間、完全週休2日制の普及率46%という構造がある以上、当然の実感だ。

しかし建設業には年17.8日の年休が付与され、実際に取られているのは10.8日にとどまる。年7日分が使われないまま消えている。面接に必要な平日の外出は、この範囲で十分に賄える。

年休は労働者が請求した時季に与えるのが原則で、理由を告げる義務はない。会社にあるのは時季を変更する権利であって、拒否する権利ではない。労使協定があれば年5日分まで時間単位で取れるので、丸1日休む必要すらない場合もある。

そのうえで、探す時間は書類を作り込んで圧縮する。会社に伝えるのは内定を承諾してからでいい。

在職中であることを理由に、面接先からネガティブに扱われることは基本的にない。むしろ日程調整にどう応じるかを見ることで、こちらが相手を測ることができる。時間を作る過程は、そのまま相手を観察する過程でもある。

「時間がないから動けない」のではなく、使える制度を使っていないだけ、という場合がある。まずは自分の年休が何日残っているかを確認するところからでいい。


出典

  • 労働基準法(昭和22年法律第49号)第39条第4項・第5項(e-Gov法令検索・2026年7月31日確認)

  • 厚生労働省「令和6年就労条件総合調査の概況」年次有給休暇の取得状況(産業別)

  • 厚生労働省職業安定局雇用開発企画課 建設・港湾対策室「建設労働をめぐる情勢について」令和7年10月15日(年間総実労働時間・完全週休2日制の普及状況)

  • 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」

更新日:2026年7月31日

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