施工管理転職ナビつくる人の、これからを考える

給与・年収

施工管理の年収は地域によってどのくらい差があるか

公開日 2026-05-08調査番号 R-article-064

施工管理の年収は、地域によって大きく異なる。同じ工種・同じ経験年数でも、勤務地が東京か地方かによって年収に100万円以上の差が生まれるケースは珍しくない。転職を考える際に地域を変えることを検討しているなら、この差を正確に把握した上で判断する必要がある。

ただし「地域差=東京に行けば年収が上がる」という単純な話ではない。地域差と企業規模の差が複合しているため、正確な読み方が必要だ。

東京と地方の年収差の実態

厚生労働省の賃金構造基本統計調査や国土交通省のデータをもとにすると、施工管理技士の年収は首都圏と地方で大きな差がある。

東京都での施工管理技士の平均年収は550万円〜600万円程度とされる一方、地方(東北・四国・九州の一部)では400万円〜430万円程度になるケースが多い。差は100万〜200万円程度になる。

ただし、この数字をそのまま「地域差」として読むのは危険だ。いくつかの注意点がある。

まず、東京の数字は大手・準大手ゼネコン勤務者の比率が高いため、平均が引き上げられやすい。大手ゼネコンは本社・主要拠点を東京に集中させているため、高年収層が首都圏に偏る構造になっている。中小の専門工事会社に絞ると、東京でも年収450万〜480万円程度になるケースが多く、地方の大手拠点と大きな差がなくなるケースもある。

次に、地域差と企業規模の差は切り離して考える必要がある。同じ東北・九州でも、大手ゼネコンの地方拠点勤務であれば、地元の中小企業と比べて年収は高くなる。「東京の中小<地方の大手拠点」という逆転が起きることも珍しくない。地域だけを見て判断すると、選択肢を見誤る。

地域別の年収帯の傾向

首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)

施工管理技士の需要が最も高く、大型案件も集中する。大手ゼネコンの本社・主要拠点もここに集まるため、年収帯の高い求人数は全国で最も多い。転職先の選択肢という観点では最も幅広い地域だ。一方で生活コストも高く、手取りベースでの豊かさは年収の絶対値ほど変わらないこともある。単身赴任や長時間通勤のコストも含めて判断する必要がある。

中部(愛知・静岡)

製造業が強い地域特性上、工場建設・設備工事系の需要が高い。電気・管工事施工管理技士の需要が全国でも高い水準にある。トヨタ関連の工場建設・設備投資が継続しており、安定した仕事量がある地域だ。年収帯は首都圏より若干低いが、生活コストとのバランスは取りやすく、実質的な水準では首都圏と大きく変わらないケースがある。

近畿(大阪・兵庫・京都)

首都圏に次ぐ規模の転職市場がある。大手ゼネコンの関西支社・拠点が集まり、大阪・関西万博後の再開発需要や、インバウンド関連の建設案件が継続している。年収帯は東京と地方の中間的な位置づけが多い。関西圏に地盤を持つ準大手・中堅ゼネコンも複数あり、東京に出なくても一定の年収を確保できる転職先が存在する。

九州(福岡)

九州の中心都市として転職市場が一定規模ある。インフラ投資・再開発案件も継続しており、首都圏からのUターン転職先として選ばれることも多い。年収帯は首都圏より低いが、生活コストを考慮した実質的な水準では差が縮まるケースがある。半導体関連の工場建設など、九州特有の需要も生まれている。

地方(東北・四国・北陸・山陰等)

絶対的な年収水準は低いが、地元密着型の建設会社で安定して働ける環境は存在する。公共インフラ工事の需要は人口減少地域でも継続しており、仕事自体がなくなるわけではない。また住宅コスト・生活コストが低い地域では、年収の数字以上に生活の余裕が生まれるケースもある。転職市場の規模が小さいため、エージェント経由の求人情報が都市部より少ない点は注意が必要だ。

年収より「時間あたり収入」で比較する視点

地域別の年収を比較する際に、見落とされがちな視点がある。残業時間と通勤時間だ。

都市部、特に東京の大型案件は工期のプレッシャーが強く、残業時間が長くなるケースが多い。年収600万円でも月60時間残業している場合と、地方で年収480万円でほぼ定時退社の場合を比べると、時間あたりの収入は逆転することがある。

転職で地域を変えることを検討するなら、年収の絶対値だけでなく、働く時間・通勤時間・生活コストを含めた総合的な判断が必要だ。「年収が下がるから地方は無理」という判断は、計算の前提が間違っている可能性がある。

地方への転職で年収を維持する方法

「地元に戻りたい・地方移住したい」という転職動機で年収を維持するには、いくつかの選択肢がある。

大手ゼネコンの地方拠点を狙う

大手・準大手ゼネコンの地方拠点は、地元建設会社と比べて年収水準が高い傾向がある。東京本社勤務より下がるケースはあるが、地元の中小企業と比べれば高い年収帯になることが多い。ただし地方拠点は求人数が少なく、タイミングとエージェントの情報網が重要になる。

発注者側への転職を検討する

地方自治体・独立行政法人・公社系の発注機関では、施工管理経験者を技術職として採用するケースがある。年収は民間より低くなりやすいが、残業が少なく安定性が高い。年収より労働環境と安定を優先したい場合の選択肢になる。

首都圏案件を担当できる地方拠点を探す

一部のゼネコン・専門工事会社は地方拠点に籍を置きながら、首都圏の大型案件に出向・派遣する形を取る。首都圏での年収水準を維持しながら、将来的に地元に完全移住するというキャリア設計が可能なケースがある。転職先に「地方拠点からの首都圏案件への関与があるか」を確認することが有効だ。

まとめ

施工管理の年収は地域によって100万〜200万円の差が生まれやすい。ただし地域差と企業規模差は別の問題であり、地域だけを見て判断すると選択肢を見誤る。

地方転職を検討する場合は、年収の絶対値だけでなく残業時間・通勤時間・生活コストを含めた「時間あたり収入」で比較することをすすめる。数字上は年収ダウンでも、実質的な生活水準が上がるケースは存在する。

地方転職で年収を維持したいなら、大手ゼネコンの地方拠点・発注者側・首都圏案件も担当できる地方拠点の三つが現実的な選択肢になる。

あくまでも個人的な見解だが、地域差より企業規模の差の方が、年収への影響は大きいと考えている。「東京か地方か」より「大手か中小か」の方が年収の分岐点として機能しているケースが多い。地方転職を検討する際に「年収が下がる」と反射的に判断するのは早計で、大手ゼネコンの地方拠点や発注者側への転職を視野に入れれば、年収を大きく落とさずに地元に戻る選択肢は存在する。もう一点加えると、都市部の高年収には長時間残業が含まれているケースが多い。時間あたりで換算し直すと、地方の年収が思っているより合理的な水準に見えることがある。年収の数字だけで地域を選ぶのは、判断の軸が一本足りていない。

お住まいの地域での施工管理転職情報は、都道府県別のページで確認できる。

地域差を踏まえた上で、あなたの県の統計平均と現在年収の差はどのくらいか。施工管理 年収比較ツールで確認できます。

関連記事

転職の相談先を、条件から確かめる

自分の地域・工種に対応しているか、申し込み前に確認しましょう。

施工管理経験者・働き方改善重視

ビルドジョブ

広告

施工管理など建設技術職に特化した転職エージェント(MyVision運営)

  • 施工管理経験者・資格保有者の転職支援に特化
  • 年収を下げずに働き方の改善を目指せる求人提案
  • 無料キャリア面談でキャリア相談から始められる

広告の対象:60歳未満の方向け。サービス全体の利用条件とは異なる場合があります。詳細は公式サイトでご確認ください。

公式サイトで詳細を確認 →

登録・相談は無料です

建築・設備の施工管理・設計・積算も相談したい

建築転職

広告

建築系技術者に特化した転職エージェント

  • 建築業界に精通したコンサルタントが個別面談
  • 会員登録なしで公開求人を検索できる
  • 年齢制限なし・全国の建築系求人に対応
公式サイトで詳細を確認 →

登録・相談は無料です

職人経験者・現場から管理職へ

職人から施工管理エージェント

広告

職人・現場作業員専門の転職支援サービス

  • 職人経験者に特化
  • 施工管理へのキャリアアップ
  • 無料相談

広告の対象:40歳未満/職人・現場作業員経験者の方向け。サービス全体の利用条件とは異なる場合があります。詳細は公式サイトでご確認ください。

公式サイトで詳細を確認 →

登録・相談は無料です

本ページはアフィリエイト広告を含みます。各サービスの特徴と広告の対象条件を確認してお選びください。

関連コラム