「施工管理は年収が高い」という話は建設業界でよく聞かれるが、その実態はどうか。平均値だけを見ると実態を見誤る。年代・工種・企業規模・地域によって年収は大きく異なるため、自分の状況に近いデータで比較することが重要だ。
施工管理の平均年収の概要
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、建設・土木の施工管理技士の平均年収は全産業平均と比較して高い水準にある。国土交通省のデータでも、建設業の技術者の給与水準は近年改善傾向にある。
ただしこの「平均」には注意が必要だ。1級施工管理技士の有資格者と無資格者、大手ゼネコンと中小の専門工事会社、東京と地方都市では、同じ「施工管理職」でも年収に数百万円単位の差が生じる。
年代別の年収相場
20代(経験1〜5年)
年収300〜450万円程度が一般的な水準だ。2級施工管理技士の資格取得前後で、手当の有無によって変わる。
30代(経験6〜15年)
年収450〜650万円程度。1級施工管理技士を取得しているかどうかで大きく分かれる。監理技術者として現場を統括できる立場になると、市場価値が上がる。
40代(経験15年以上)
年収600〜800万円程度。現場監督から管理職・所長クラスへの移行が年収に影響する。ゼネコンの場合、部長・役員クラスで1,000万円を超えるケースもある。
企業規模による年収差
施工管理の年収に最も影響するのは企業規模だ。
大手ゼネコン(鹿島・大林・清水・大成・竹中)は業界内でも高い水準にある。福利厚生を含めた総合的な待遇は中小企業と大きく異なる。ただし大手への転職は競争率が高く、即戦力として評価される経験・資格が求められる。
中堅ゼネコン・専門工事会社は、大手より年収水準は低いが、裁量の大きさや現場経験の幅という点で優位なケースがある。転職市場では中堅以下の企業が施工管理経験者を積極的に採用しており、求人数も多い。
転職で年収は上がるか
施工管理職の転職による年収変化は、状況によって大きく異なる。
1級施工管理技士を持ち、大型案件の経験がある30〜40代の場合、転職によって年収が100〜200万円上がるケースは珍しくない。資格と経験の組み合わせが市場価値を決定するため、資格取得後のタイミングで転職することが年収アップへの現実的な道筋だ。
一方、資格なし・経験が浅い段階での転職は、年収アップより「環境改善」を目的にした方が後悔が少ない。年収は経験と資格を積み上げた後に交渉する、という順序が重要だ。
年収交渉は内定後に行う
転職で年収を上げるためには、内定後の交渉が唯一の有効な窓口だ。内定を出した企業はその候補者に来てほしいと判断しているため、この期間に限り条件面の調整余地が生まれる。
面接中の希望年収の提示と、内定後の条件交渉は別物だ。面接中に提示した希望と大幅に乖離する交渉は逆効果になる。整合性を保ちながら、根拠を示して交渉することが重要だ。
施工管理の年収を上げる具体的な方法については以下の記事で解説している。
(※内部リンク:#62記事へ)
施工管理の転職エージェント選びについては以下を参照してほしい。
(※内部リンク:#2記事へ)
※本記事の内容は著者の転職経験および情報収集に基づく見解です。個別の状況によって結果は異なります。



